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廃れゆく部屋

皆さん、廃でお会いしましょう


In 10 2011

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信楽焼の徳利

DSC00532.jpg


会社の帰り途に時々立ち寄る古美術店がある。

そこには古伊万里の大皿もあれば無名の現代作家が造った訳のわからない変な壺もある。

この間なんかはダッコちゃん人形が置いてあった。

店の一番奥に座敷があり店主は炬燵に入ってお茶を飲みながらテレビを見て接客をする。

こういう店もありがたい。



時々、バブルがはじける前にどれだけ羽振りが良かったか自慢したがる骨董屋と出会う。

「一日で百万円稼いだ」とか「五十万以上もする掛け軸が飛ぶように売れた」など過去の栄光を延々と聞かされるのだ。

こっちは片方の耳だけで聞きながら店内の品物に神経を集中させる。


しかしこのなんでもアリの骨董店の店主は一言二言話すとテレビをずっと観てる。

僕はガラスケースに入った備前焼きの徳利と信楽焼きの徳利を見つけた。

どちらとも昭和30年代に造られた新しいものだそうで信楽の徳利には三千円の値札が付いている。

古信楽ならとても手が出ないが信楽なら買える。

有名作家のものでもない限り、現代ものは二束三文で売買されている。

でも僕は徳利というものを買ったことがなかった。

なぜなら全く酒を飲まないからだ。

なのでこの時は「また来ます」とだけ言って店を後にした。



DSC00548.jpg


しかしそれから仕事中や布団の中であの信楽焼の徳利がずっと頭から離れなかった。

手に取るとピッタリと収まる大きさでぽってりした姿が愛らしかった。

上部には釉薬が流れキラキラしているが下の方は土の肌が露出し野生味を感じさせた。

やはり買おうと何度も思ったが酒を飲まない僕が酒器を買うということに意味を見いだせないでいた。

そんな時、何かの本で土物の徳利を一輪ざしに使っている写真を見た。

土物の徳利をその名の通り「土」に見立てているというのだ。

土からひゅうっと生えた花。

その姿を見て「これだ」と思った。

お金を持って店に行くと店主が「ああこの徳利、千円ね」と言った。

値札には三千円とあるがそれはずっと前のこと。

かくして千円で手に入った徳利は一輪ざしにも使われることなく現在に至る。

そして今はこれに合うぐい飲み杯を探している。



それよりも問題なのは、一体これで何を飲むべきか。





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10 04 ,2011 Edit


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