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04

廃れゆく部屋

皆さん、廃でお会いしましょう


In 04 2014

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百味医院

hyakumi01.jpg




トンネルを抜けるとそこは島根県だった。



・・・本当はトンネルに入る前から島根県だったんだけどね。


島根県のとある場所に古い古い医院があると聞き、雪が残る三月に僕は山陰にやってきた。

島根県は平成24年調べによると人口も都道府県47位中、46位とブービー賞だ(失礼)。

絶対的な人口が少ないせいか隣県にいても廃墟マニアの存在をあまり聞かない。

そもそも廃墟の数が少ないという噂だ。

実際に島根県を自動車で走ってみると、廃屋は時々見かけるもののやはり数は少ないように思えた。

そういえば、こんなエピソードがあった。

島根の町である建物の場所をおじさんに尋ねたら、「信号機のある交差点を左に曲がれば良い」と言われた。

僕は「何個目の信号機を曲がれば良いですか?」と訊いたら「この辺に信号機のある交差点は一つしかないから行けば判る」と言われたのが今でも印象に残っている。




hyakumi02.jpg


そんな島根県だけに、こうした「古い医院の存在」やそれを「発見すること」の意義は大きいと思うんよ。

発見者のIさん、お疲れっした。

さて、一見普通の古民家のようなこの物件。




haykumi03.jpg


なんと「健康保険医」と「健康保険歯科医」の両方のプレートが貼ってある。

僕は初めて見た。

広島県福山市にも大正時代に父親が歯科医をしていてそのあと息子が隣で内科医師をしていたというのはある。

しかしここはどうやら一人の医師が身体も歯も診ていたらしい。




hyakumi04.jpg


この物件は敷地に二軒の建物が建っていてプレートが貼られている方が医院だと思い込んでいた。

しかし入ってみるとどうやらこっちは住居スペースだったみたいだ。

ま、楽しみは後に残しておくタイプなのでいいや。


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昭和30~40年代から時間が止まったままのような状態だった。

置いてあるもの一つ一つが古いものばかりだった。



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「雪印 あずきドリンクス」。なんと未開封だった。

この前衛的な飲み物について調べてみたのだけど特に何も判らなかった。

今でも「おしるこ」なる飲み物は自販機で見かけるけどひょっとしたらその原型だったのか(そんな訳ないか)。




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開け放たれた引き戸からはこれでもかというくらい植物が入っている。

放置されてかなりの時間が経過しているようだ。




hyakumi07.jpg


二階への階段を上がったところ。

壁に松皮菱の文様が。

実はこれ、医院の外壁にも使われている文様なのだけど家紋ではなく恐らくは吉祥紋として使われていたのだと思う。




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二階は3部屋あるのだけど僕の体重では床が抜けそうなのでここまでとした。

さあ、お待ちかねの医院へ行こう。




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薬棚はもぬけの殻だが大きさが一間もあるものが二つ並んでいた。

これに薬瓶がズラーと並んでいる姿は壮観だったに違いない。

左手には引出しの多い机が見える。

受付と薬渡し兼用だったのだろうか。



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この棚が薬品専用に造られたものだと判る。

今まで色んな医院でこの毒劇薬専用の引き戸を見たのだけど、規格でもあったのかどれも同じものだった。




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さて、この箪笥を御存知だろうか。

いわゆる「薬箪笥」というもので漢方薬が入っている。

この箪笥が置いてある医院はとても珍しい。

なぜなら幕末に西洋医学が広まるにつれ、漢方薬の投薬治療を主体とした東洋医学は衰退した。

明治になるとどの医院も漢方薬の入っていた薬箪笥を捨てて、代わりに薬液の入ったガラス瓶を薬棚に並べた。

そうしないと結局のところ患者が集まらんのんじゃって。



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「丁子」というのは身近なところでカレーの香辛料にも使われているらしいんだけど歯痛などの鎮痛剤にも使われた。

「木通」はアケビのことで江戸~明治時代には高級品だったそうな。茎の部分には利尿作用や抗炎症作用があるのだそう。




hyakumi14.jpg




この漢方薬というのは沢山の種類があり、それを収納するために引出しが多く備えられた家具が薬箪笥だった。

引出しの取っ手として丸い鐶が付いているのものあり、それが百個の目玉に見えることから「百目箪笥」と呼んだ。

別称で「百薬箪笥」「百味箪笥」とも呼んだそう。


僕は廃医院でこの薬箪笥を見たのは初めてだった。

本当にこれは眼福だった。




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さて、それではこの医院の二階に上がる。

左手にある机の上から二階へ。




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どうもよく判らないのだけど二階が診察室だったのだろうか。

これについては結論が出ないままだった。




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丸いテーブルの上には沢山の医療器具などがあった。



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また、例の医師用の椅子や患者用の椅子があった。

この医師用の椅子ってかっこいい。




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天井の板が一枚外れている。

メッチャ気になるやんけ。

10秒のタイマーをかけて三脚を持ち上げて天井に差し込んだ。




hyakumi20.jpg


何もなかった。

ホッとしたようながっかりしたような。




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押し入れの中には沢山の薬品が所狭しと並んでいた。




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この細長い針のようなものは何に使うのだろうか。

判らんけど怖い。

何歳になっても歯医者は怖い。




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「亜ヒ酸カリウム」があるやんけ。

有毒で飲みこんだら死ぬそうです。

発がん性物質でもあるそうです。

イクナイネ!




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階段の上がったところにある小部屋には薬品や書籍が置いてあった。




hyakumi25.jpg


どれも難しそうな医学書ばかりで僕の家の本棚みたいに「ゴルゴ13」とかはなかった。



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小さな引出しにはメスや鉗子などがあった。

ご近所から聞いた話では、この界隈に医院はここ一軒だけだそうで場合によっては外科手術的なこともしていたのかも。




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葯刺巴は「やらっぱ」と読むらしく、中米サツマイモ属の植物の根でめちゃくちゃ強い下剤だそうです。

珊篤寧?はある資料によれば「珊篤寧ハ亞爾加里(アルカリ)性消化液ニ溶解スルヲ以テ其腸二達スルヤ

未タ寄生虫ヲ撲殺セサル」と書いてあった。

何故撲殺なのか良く判らんけどそういうことなんだそうです。

ここにある薬はどうも危険が危ないようだ。




hyakumi28.jpg


こういうのを読むとさ、やっぱスッゲー勉強しないと医者にはなれんなと思う。

先生はとても几帳面な方だったみたいでノートのまとめ方が上手だなあと何故か上から目線で思った。

ただ、赤線引き過ぎてどこが重要な部分なのか判らない。

多分全部重要なのだろう。





hyakumi29.jpg


そろそろ別の物件に向かうべくこの医院を出た。

昭和を通り越して、もはや大正を感じさせてくれた医院だった。



島根県は廃墟が少ない。


でもこれからの時代は島根なのかもしれない、と帰りに寄った定食屋でかつ丼を食べながら思ったのです。












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04 13 ,2014 Edit


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